大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(れ)1863 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人眞野稔の上告趣意は末尾添附別紙記載の通りである。

論旨第一点に対する判断。

原審の認定事実は、原判決挙示の証拠を綜合すれば、充分にこれを肯認できるの

であるから、原判決には何等所論のような理由のくいちがいはなく、また審理不尽

の違法があるということもできない。所論は畢竟原審の裁量に属する証拠の判断乃

至事実認定を非難することに帰するから、これを採用することができない。

同第二点に対する判断。

所論Aの被害始末書(三一丁)によると、同人は「B」の店主であつて、原判示

のように、二回にわたつて被告人に対し、代金の支払を受けるものと信じて、酒料

理等を提供したが、その支払を受けなかつた被害事実がわかるのであるから、右始

末書によつて、被告人の第一審公判廷における自白は充分に裏書され、所論詐欺の

事実の架空なものでないことが明らかにたしかめられるのである。たとえAが従前

被告人と面識がなく、被告人に直接応対した者がAの妻であつたとしても、そのた

め、所論のように右被害始末書が補強証拠となりえないなどということはできない。

従つて原審が所論原判示(二)(三)の事実を、被告人の第一審公判廷における自

白と右被害始末書とを綜合して認定したことは、何等違法でなく、論旨は理由がな

い。

よつて旧刑事訴訟法第四四六条に従つて主文のとおり判決する。

以上は裁判官全員一致の意見によるものである。

検察官 福島幸夫関与

昭和二六年四月三日

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最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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